SSブログ

廃墟&近代化遺産(天草炭坑紀行) [廃墟&近代化遺産]

前回の九州南下ツーリングでの探検です。

 

九州には沢山の炭坑跡がありますが

ここ天草にも良質な無煙炭が産出され賑わっていた

時代がありました。

 

天草の南の果てのような場所にその炭坑跡は

点在していました。

 

 

だいたいツーリングで炭坑探検なんて

聞いたことないよ(汗)

 

北から南下するルートで来ましたので最初に

向かったのが魚貫(おにき)坑。

 

県道35号線の細い道を走っているといきなり

ホッパーのような建物を発見!

突然現れたのでかなり行き過ぎてしまった。

歩いて戻って見るとやっぱり

石炭を積み込むホッパーの跡みたいだね。

トンネルがそんなに大きくないのでトロッコ用なのかな?

 

まだこれだけ原型が残ってるってことは

昭和の中期まで創業されてた魚貫炭坑のものに違いない。

 

数メートル先には当時の関連棟らしき建物も残ってます。

民家と違うようなんでやっぱり鉱山会社のものでしょう?

 

って、ことは魚貫坑はこの辺りみたいだね。

 

でも、

探しても全然わかりません(汗)

地図も僕が適当にこの辺って感じでツーリングマップルに

ボールペンで点を書いてるだけ(笑)

 

僕以外?来る人もいないでしょうから案内板なんかも皆無です。

 

しかし走っていると明らかに炭住って言われた

炭坑で働く人のための住居がある。

間違いない!

僕も隣街が筑豊だったからこの造りには見覚えがあるのです。

 

昔はコワ~イ、酔っ払ったおっちゃんが沢山いて

「おい!ボウズ!」って絡まれるので

僕は怖くて友達がいても近づけなかった記憶が蘇ります。

 

でも、そのころは街にも活気がまだ少し残ってたように

感じます。

まぁ、大昔の話です。

 

 

ちょうどここで一人のオバサマが家から出てきたので

バイクのエンジンを切って炭坑跡の場所を尋ねてみると、

途中まで説明してくれてたのですが

結局、「今から車で出かけるから着いておいで!」

って言われて、車1台とバイク2台の奇妙なツーリングが

はじまります(笑)

 

でもおばさん、女性を連れて何しに行くんだろう?って

きっと思ってるはずです(汗)

 

 

小さな川を渡って1キロほどの短いツーリングは終了!

 

「あの辺り一帯が炭坑跡なんだけどね」って指差して

オバサマは帰って行きました。

どうも、親切にありがとうございました。

 

川沿いを河口に向かってる道はダートになってますが

なんとか走れそうなので頑張りました。

 

バイクを置き、突入隊長のゆうさんと探検開始です。

 

っと!開始そうそうなにか廃墟の跡のようなものを発見!

コレは何だ!

って聞かれても

まったく分からず、コメントしようのない残骸だね。

 

川沿いを歩くと当時の港の跡も見つけました。

 

石炭の積出港だったのは間違いないみたいです。

結構、大きな船を停泊していたものと

この錨から想像できます。

乗って遊べるくらい大きい。

 

これが正しい廃墟の楽しみ方です。

 

続いて山手を見ると大型のホッパーが良い状態で残ってます。

木々に囲まれつつある風景は僕にはアートに見えるのです。

 

このホッパーの地下からベルトコンベアで船に積み込む

トンネルも残ってます。

最初は斜坑かと思いましたがコンベアの出口だったみたい。

でも塞がれてなく覗けます。

 

いち早く突入しそうな勢いの方が!

お~い! 

覗くだけにしておいてくれよ~!(笑)

 

 

中はゴミだらけでした。

 

更に調査を進めて行くと藪のに

防空壕のようなものがありました。

藪が厚くてこれ以上無理です。

 

 

河口へもっと行けば何か発見できそうだが

本隊はこれから更に南下し

烏帽子坑へ向かわなければならん!

 

ここの調査は打ち切りだ!

 

 

牛深市街地を抜け牛深ハイヤ大橋を渡り更に南下する。

 

これまた案内なんかあるはずも無く

海にポッカリ穴が開いてる斜坑を目印に

海を注意深く見ながら天草下島の最南端を目指す。

 

小森漁港の手前の断崖に差し掛かると

眼下に海が広がり、そこでいかにも人口的なシルエットに

僕のアンテナがビビっと反応!

 

見つけた!

 

漁港まで降りて見てみる。

ちょっと逆光だね。

 

天草炭坑の最南端に位置する烏帽子坑跡です。

幕末から採掘が開始され

エネルギー効率の良い無煙炭が採れた。

時は日清・日露戦争時、その燃料をここからも産出してた

こともあり海軍炭坑とも言われたそうだ。

 

斜めになってるのが斜坑の跡で

見て分かる通りここは海底鉱山なのです。

船がないと近付くことは出来ない絶海の廃墟なのだ。

当時の採掘はほとんど人力だったらしくその苦労は

並大抵のものじゃなかっただろうね。

 

坑口が見たいので早朝にリベンジしました。

もちろん隊員も道連れです(笑)

 

このポッカリ開いた穴は

まるで地底人の出入り口のような

とても不思議な光景を見せてくれます。

地球が呼吸してる穴にも見える。

 

 

静かな漁村に突如と沸いた黒ダイヤラッシュ。

人力の烏帽子坑と近代的な魚貫坑。

どちらも天草の景色の一つとしてこれからも

そこに存在し続けることでしょう。

 

 

 

魚貫坑跡で錨に乗るにはココ

烏帽子坑の地下都市へはココ


nice!(29)  コメント(43)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 29

コメント 43

なな

案内してくれた「おばさま」にありがと~だねー。
廃墟探検も仲間がいたら2倍楽しいねぇ。

長島からフェリーに乗れば・・・
とウズウズしますなぁ。
by なな (2007-05-25 23:32) 

e-g-g

読み終えて、ため息がひとつ。さて、何をどう書こうか?と思案。思案しても、良い言葉が浮かんでこない、、、というよりも、言葉にすると心に湧いた感覚が、なんだか小さくまとまってしまう感じ。

ひとつだけ言えるのは、天草という地名には、なんとなく特別な匂いを感じるけれど、新しい匂いがひとつ加わった感じ。
なんの感想にもなっていないけれど、今夜はひとまずこのへんで。
by e-g-g (2007-05-25 23:42) 

Montego-Blue

こんばんは。
今日はコンクリートな感じですね。
ホッパーというものは初めて知りました。この上から石炭が積み込まれるのですか、膨大な量の石炭がここから積み込まれたのでしょうね。
by Montego-Blue (2007-05-25 23:52) 

ミック

炭鉱跡始めて見ました。
「フラガール」や「東京タワー」の様です。
1キロくらいの車1台とバイク2台のツーリング、
不思議なツーリングです^^
廃墟や防空壕にどんどん近づいて行くので、
「響さんはこわくないんだなー」と、思って、読んでました^^
烏帽子坑跡は昔の人達が働いている姿を想像してしまいました。
でも、今はそれがそのまま朽ちていくだけの感じが、
ちょっとこわい感じがしました。
by ミック (2007-05-26 01:03) 

あら!みてたのね

こんばんは・・・
5枚目の炭坑で働く人々のご自宅・・・響さんの写真とっても好きだなぁ~~~♪♪ 構図がとっても素敵だし、屋根の上からの光りよるフレアーが利いてムードある写真に仕上がっていますね !!!
次に大きな錨の写真大好きです ♪♪
何という彼女だったか忘れましたが、美人だしツナギがよく似合ってる !
廃墟シリーズ楽しみに訪問いたします。
by あら!みてたのね (2007-05-26 01:05) 

ゆう

             ↑
このタイミングで登場するのがこっ恥ずかしいです(^^;)

あの住居撮ってたの炭坑の人の住居だったのか~~
おばちゃまは親切だったよね。
写真は何故か撮れてなかったけど、まだ顔は覚えてる。
魚貫(おにき)坑しっかり「うおぬきこう」と思っておりました。
烏帽子坑跡は綺麗に色が出てるね。
響さんがどれくらいのわくわく度だったのか想像するのもまた楽しい。
by ゆう (2007-05-26 02:13) 

GATA

とってもいいおばさんに出会えてよかったですね。
旅先での親切は心にしみます。(^o^)

福岡の炭鉱後と違って原型があまり残ってない気がします。
響さんのコメントがなかったら僕には何かさっぱりわかりませんでした。
でも、おっちゃんたちが顔を真っ黒にして一日作業をして、夜はお酒でべろんべろんになって翌日の活力をつくる生活がここでも繰り返されていたんでしょうね。

最後に ゆうさん、あら!みてたのね さんにとってもいいコメントもらってよかったですね。(笑)
by GATA (2007-05-26 05:49) 

coyote

いったいどこでこう言う情報を入手されるのでしょうか?^^;
先日のツーで後ろを走らせてもらいましたがヘルメットが動く、動く(笑)
常にアンテナが立ってるんですね~~!^^
by coyote (2007-05-26 07:47) 

xml_xsl

響 さん、こんばんわ、(^ ^)
道路沿いのホッパー跡、悪びれずどうどうふんぞり返って、
とてもいいです。  
炭坑跡のは、白い、すずめの鉄砲の草原に、
真っ直ぐすっくと立ち、礼儀正しいです。
この一枚、気に入りました。  (^o^)/
by xml_xsl (2007-05-26 10:29) 

OhIke0725

炭住、懐かしいですね。
私が小さな頃、親戚が炭住に住んでいました。
どれも、同じ作りで最初の頃はよく家が判らなくなったことを思い出しました。
有明界隈の炭鉱は海の下を掘っていたのですよね。
陸地以上に、たいへんなことだったのでしょうね。
by OhIke0725 (2007-05-26 11:35) 

nico

天草はなんかやってくれると思ってたんだ。 ( ´・_・`)ソウカナー
なーんにも無いトコだよネ。 \(`-´ ") シロウニイウゾッ!
by nico (2007-05-26 13:24) 

CARRERA

五枚目の長屋が好い雰囲気をかもし出してます。^^
by CARRERA (2007-05-26 14:42) 

響

>ななさんへ
ウズウズってやっぱりななさんもはまった?(笑)
でも牛深の探検も楽しいかもよ。
ループ橋も楽しいし、船で渡るのがワクワクするよね。
by (2007-05-26 19:04) 

響

>eguchiさんへ
天草は特別な地でしたか?
同じ九州でもなかなか行くことの無い天草ですが
今回はツーリングのルートになったので普段の観光では見れない
スポットを見て見ました。
最近まで天草に炭鉱があるって知りませんでした。
5橋の回りは天草四郎関連の観光を別に行きたいと思います。
by (2007-05-26 19:10) 

響

>Montego-Blueさんへ
炭鉱巡りも時代の流れを肌で感じれて楽しいです。
ここの採掘期間は短かったらしいですよ。
海底鉱山には驚きました。
生で見ると更に異様な雰囲気です。
by (2007-05-26 19:16) 

響

>ミックさんへ
遺跡調査となるとそれなりの知識が要りますが
廃墟調査はなんとなく使われ方や当時が見えるので
想像しながら見ていくと楽しいですよ、
ただ安全第一ということと、明るい時限定で見に行くのが鉄則です。
今回は2人なんで楽しかったです。
by (2007-05-26 19:20) 

響

> あら!みてたのねさんへ
炭住の写真、褒めていただきありがとう。
フレアー消したくて左手でカメラの上を覆ったけど手が写っちゃった(汗)
結果オーライでしたね。
ゆうさんもマニア?なんで喜んでました(笑)
by (2007-05-26 19:23) 

響

>美人でツナギがよく似合ってる彼女へ
あのオバチャマ親切だったよね。
牛深の人はみんなおおらかな感じです。
中々行けないところだから貴重な探検だったね?
長崎刑務所もトラックバックしてくれた人が公開してるよって
言ってる!
あとマイナリストからも情報が!
あ~!仕事が手に付かん(汗)
by (2007-05-26 19:28) 

響

>GATAさんへ
天草炭鉱はなかなか良かったよ
残り方がまた推理する楽しみを残してくれる残り方でした。
炭住のおっちゃんは怖いって書いたけど
実はめちゃめちゃやさしい人ばかりでした。
一升瓶を肩に担いで、これでもかって言うほど蟹股で歩いてたので
子供の僕はビビッたのでした。
by (2007-05-26 19:33) 

響

>coyoteさんへ
ゆうさんに「今日は案内がいるので思いっきりキョロキョロできる」
って喜びました。
いい景色と変なスポットは見逃したくないですもんね。
炭鉱はここらへんにあったらしいしか分かりませんでしたので
見つからなければそのまま牛深のホテルに行く予定でした。
ホッパーと炭住は決め手でした。
by (2007-05-26 19:36) 

響

>xml_xslさんへ
ふんぞりかえったホッパーとは面白い表現をありがとう(笑)
あの草、すすめの鉄砲って言うの?
野草の趣味はあるのですがいまいち名前を覚えれないです(汗)
by (2007-05-26 19:39) 

響

>OhIke0725さんへ
筑豊地区の炭住も少なくなってきたよね。
確かにみんな同じ作りなんで迷うかも(笑)
海底鉱山は海水との戦いでもあったでしょう。
by (2007-05-26 19:41) 

響

>nicoさんへ
いやいや。
天草は青い海と人の人情がありました。
そして炭鉱も(笑)
四郎さんの地はなかなか奥が深いのです。
by (2007-05-26 19:48) 

響

>CARRERAさんへ
炭住ってドンドン少なくなっていますので
懐かしい気持ちでした。
操業中は事故も多くて運命共同体でしたので
住民の絆は強かったでしょうね。
by (2007-05-26 19:50) 

シンヤ@東京

こんばんは 廃墟探検楽しそうですね~
こちらにはなかなかありません。明日は、奥多摩へ行ってきます。
廃墟は探してきます!見つける自信がありませんが・・・
そう言えば、リストバンドは効果あるんですかね~
自分も付けてみます!
by シンヤ@東京 (2007-05-26 20:26) 

ura

奥が深いねー、いった所々で昔をしらべていくと何かありますよね、
行く先々の探検で色々見れそうですね、チャンスあれば響さんも知らないようなのを^^;見つかるかなー?
by ura (2007-05-26 20:37) 

響

>シンヤ@東京さんへ
廃墟は田舎の特権ですよ(笑)
保存すべき文化財以外は空き地同然ですからね
関東の方では難しいでしょう。
でも歴史的な文化財は色々残ってるはずです。
見つけるコツは現地を走っていて路地に向かって案内板があるところを
とりあえず入って見ることかな?
by (2007-05-26 22:37) 

響

>uraさんへ
僕が知らないところをですか?
南部も軍事的にも工業的にも歴史があるので
きっと多くの近代化遺産や廃墟が眠ってるはずです。
情報、お待ちしてます。
by (2007-05-26 22:39) 

こんばんは。
炭鉱で働いてる人の住居。
幸せの黄色いハンカチに出てきそうなお家ですね。
碇がどうしてあそこにおいてあるのか・・・不思議(・.・;)
by (2007-05-26 23:19) 

響

>月光14thさんへ
たしかに幸せの黄色いハンカチに出てきそうですね、
閉山しても住居はそのまま残す条件だったのでしょうねぇ。
昭和の貴重な景色だと思います。
by (2007-05-27 12:48) 

みね

海底炭坑は凄いですね。写真を撮るために高台に登るあたり、素晴らしい行動力と体力です^^
by みね (2007-05-27 13:35) 

響

>みねさんへ
海底炭鉱の入口って異様な風景です
ちょっと不気味ですよね。
高台ですがバイクです(笑)
by (2007-05-27 16:27) 

探検ツーリングってのも良いですねぇ。大きい錨は見つけたら迷わず僕も乗っかりますね。
by (2007-05-27 19:23) 

響

>ヒロリンキュウさんへ
ソロなら探検ツーリングもいいのですが今回は
女性もいましたのでちょっと心配でした。
こんな企画でいいのか?ってね(笑)
やっぱりヒロリンキュウさんも錨であそびますか?(笑)
by (2007-05-27 22:24) 

"正しい廃墟の楽しみ方"
参考にします^^;
by (2007-05-28 21:55) 

響

>きんさんへ
参考にしないでも多分きんさんは
やっちゃう気がする(笑)
by (2007-05-28 22:36) 

Jetstream31

おばちゃんはきっと、最後まで見守ってくれてたはずですw
by Jetstream31 (2007-05-29 22:17) 

響

>Jetstream31さんへ
そうかもしれないですね。
しかしその日の夕飯の話題に登場してたかもしれません。
「今日は変なバイク乗りが来てた」って(笑)
by (2007-05-30 08:28) 

天草にも炭坑があったのですね。。初めて知りました。。
by (2007-05-30 12:51) 

響

>水郷楽人さんへ
そうでしょう?
実は僕も最近しりました。
いてもたっても見たくなってツーリングのルートに入れてみました。
by (2007-05-30 22:51) 

yosi

「天草 近代化遺産」で検索すると
やっぱり響きさんのブログが出てくるんだよね。(笑)
by yosi (2011-01-26 17:50) 

nicochan

こんにちは♪
魚貫町を検索していて、こちらのブログにたどり着きました。
私の祖父はその昔、魚貫炭鉱で働いていました。

当時、祖父は炭鉱会社で現在でいう中間管理職の位置にいた
と聞いております。仕事が終わるといつも祖父母の自宅に
沢山の部下たちが遊びに来ていたそうです。
また、部下をかばって、よく会社の上の者と喧嘩していたとも
聞いています。そんな祖父も昭和40年に祖母は昭和49年に
亡くなってしまいました。

幼い頃の思い出といえば、毎年の夏、魚貫に遊びに云っていた
時の事で、そろそろ50年近く経とうとしてる今でも、その
懐かしい思い出は私の脳裏に焼き付いています。

最後になりましたが、貴重なお写真を拝見させて頂きまして
ありがとうございました。
by nicochan (2011-09-06 12:00) 

お名前(必須)

実はね
小森に行く前の米渕にも炭鉱跡があるんやで_(:3 」∠)_
グーグルマップに載せてるけど

母の話だと小森の裏の砂月側の森の中にも炭鉱跡があるそうな
by お名前(必須) (2018-09-05 09:46) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。