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廃墟&近代化遺産(大河を貫く巨大な大蛇) [廃墟&近代化遺産]

福岡県と佐賀県を分け隔てるように流れる筑後川。

やがてその大河の流れは遠浅の有明海に注がれます。

 

明治初頭、河口付近で大きく横に広がった川は流速を落とし

そこに土砂が蓄積してしまい船の往来が出来なくなっていた。

 

その筑後川の河口に干潮時に現れる

何処までも続く大蛇の背中のような石積みがある。

 

 

筑後川デレーケ導流提

 

 

明治政府は西洋の土木技術を導入すると共に

この筑後川の治水のためオランダから

土木技師ヨハネス・デ・レーケを招く。

 

ヨハネス・デ・レーケは30年に渡って日本の治水に努め

明治23年(1890)に幾つかの大事業を達成させてきた。

大河の真ん中を貫くこの導流提は

川の流れに方向性を持たせ

流速を維持させることで遠浅の有明海の沖まで土砂を運ぶ役割をする。

 

 

筑後川の最河口に架かる新田大橋からその大蛇が望めます。

広い河川敷に車を停めて橋の歩道を歩くことが出来る。

 

橋から上流側を見ると導流提の始まりと遠くに

昇降橋が見えます。

小さく見えてる中州から導流提が始まってるようです。

 

漁船が独特の漁具を使って貝を採ってる。

夏のこの季節には筑後川特産のエツ漁がはじまります。

 

真下を見ると流れに余計な抵抗を与えない為か

表面を揃えて綺麗に石が積んであるのが良くわかる。

こんな石積みが途方もなく延々と続くのだから凄い!

大自然を前ににすると人間は何時も

ちっぽけな存在だと思ってしまいますが

ここを見ると人の力の偉大さに感銘を受けてしまう。

 

 

 

河川敷の土手沿いを河口に向けて行ける所まで行って見ましょう。 

 

めちゃくちゃ長閑だよ~!

 

横には広大な干拓地が広がっています。

空が広くてとっても良い雰囲気です。

 

土手の道はやがてダートになり導流提の追跡はここまで。

頑張って行っても良かったけど果てしなく続く

導流提に根負けしました(笑)

 遠く霞んで見えなくなる先まで続いてる!

全長6.527kmはちょっとじゃないよ(汗)

 

豊かな筑後川と有明海に恵まれ

河口には沢山の漁港があり

独特の風景を作っています。

 

 

 

再び新田大橋から導流提を眺める。

 

 

 

この偉業を遂げたデレーケはこの筑後川の他

大阪淀川・木曽三川の治水に情熱を注ぎ

明治36年に母国オランダに帰国している。

 

100年以上もこの姿のままこの川を守り続けたのって

凄いことだと思います。

ドロドロの干潟の上にこんな提を築くのは並大抵の

ことじゃないよね。

人間の可能性をヒシヒシと感じる近代化遺産でした。

 

 

 

干潮を狙って先人の偉業を見てはいかが?

大河を貫く大蛇はココ


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コメント 60

ゆう

1枚目の写真はいいね~~こんな感じの写真が撮れるのは流石ハンターですね。
干潮を狙わせたら日本一かも(笑)
by ゆう (2007-06-28 07:29) 

momongaz

すごいとしか言いようがないですね~
まともな重機があったとは思えない時代に、しかも機械ではとうていできそうもないほど綺麗に積まれていますね。
本当にすごい。
by momongaz (2007-06-28 07:40) 

XXAR2

近くに住んでいながら、全く知りませんでした。
コノ辺りも仕事で行ってるんですけどね~
ちゅーか、気が付いても『お!沈み鋼矢板発見!』って見逃してるカモ(笑)
by XXAR2 (2007-06-28 08:01) 

miyomiyo

圧巻ですね。
100年以上姿を変えないとはこれまた驚きです。
石積みの下の基礎はどうなっているのか不思議です。
沈まないんですね。

大蛇の背中を6.527㎞走破した人がいるのかも知りたいです。
by miyomiyo (2007-06-28 08:59) 

肥前Fe

  重機もない時代の工事  人海作戦だったのでしょうね。 基礎はどうなっているのだろう そんな心配が浮かびました。
by 肥前Fe (2007-06-28 08:59) 

なな

6.527km うちから駅まで1往復半とちょっと。
(なにかに例えなければ距離感がない)
すごいなぁ、ちょっとずつ川を堰き止めて作ったんでしょうね。

是非、見てみたいです。
by なな (2007-06-28 09:21) 

obasan

自然と共存しなければならない人の知恵を感じます。現代の力でねじ伏せるような建造物と違い、たぶん気の遠くなるような時間を使いながら、造られていったんでしょうね。
コンクリートでないことで生物にもやさしい状況があったんでは・・・・
きっと環境にもやさしかったんじゃないかな?
by obasan (2007-06-28 09:42) 

もきち

すばらしいですね!!
しかも明治初期に!!
かなり感動モノですこれは。
それにしても九州は見所満載ですね。
行きたくなった~~~!!
by もきち (2007-06-28 09:48) 

tomo-CR

まさに大蛇ですね。
obasanのおっしゃるとおり、自然の素晴らしさと共存しようとする人間の知恵が造り上げた大蛇です。
こんな知恵があるのなら、いろんな環境問題も少しずつ解決するはずなんですが・・・。身勝手な人間の性が大きく邪魔してるのかもしれませんね。
by tomo-CR (2007-06-28 09:54) 

初めまして。
ゆうさんのブログの方からお邪魔させていただきました<(_ _)>
こんな綺麗な石積みが6.527kmも。すごいですね!
流速を「維持」する為の導流提だということにも驚きました。
自分が今まで気づかずに通り過ぎているものが、
あるんじゃないかといろいろ興味が湧いてきました^^
度々お邪魔すると思いますが、よろしくお願いします。
by (2007-06-28 10:42) 

shop-u3

筑後川デレーケ導流提が気に入ってしまいました。

シンプルですけど絵になりますね。
by shop-u3 (2007-06-28 11:44) 

xml_xsl

響 さん、こんにちは、(^ ^)。
あっし、圧倒的な寡黙な大蛇に、ひれ伏してしまいました。  
灰色をゆったり滑る、ライトブルー笹舟をあつらえた見事なショットに、
再び┌|・.・|┐。
by xml_xsl (2007-06-28 12:38) 

愛知の木曽川の治水をしたのもヨハネス・デレーケさんですよ。
by (2007-06-28 15:40) 

(。・_・。)2k

これ凄い!
人の偉大さが解る写真ですね!
by (。・_・。)2k (2007-06-28 15:46) 

dakaryellow

ほんとうに、大蛇か龍のウロコのように見えますねぇ~。その頭の上
に小さなヒーローが乗っていて、勇敢に剣を振るっている姿が遠目に
見えるのですが・・・気のせいでしょうか?
by dakaryellow (2007-06-28 18:30) 

OhIke0725

抜け目無く、チェックしてますよね。
忘れずによく行きます。さすがはハンターですね!!
これは干潮を調べて行ったのですか?
良く導流堤が出ていますね。
by OhIke0725 (2007-06-28 18:49) 

響

>ゆうさんへ
何事も干潮が良いときが多いね
潮干狩りもおっぱい岩もそうだし
間島もここも干潮様様です。
月の引力の力をかりて廃墟ハンターは今日もゆく!
by (2007-06-28 20:50) 

響

>momongazさんへ
凄いでしょう?
どうやって築いたのかわかりませんが
とてつもない努力の賜物だと思います。
ちょっと上を歩いてみたいですね。
by (2007-06-28 20:53) 

響

>XXAR2さんへ
近いでしょう?(笑)
しかし知らないとただの堤防みたいに見えますよね。
一度2月に行きましたが見れなくてやっとリベンジを果たしました。
by (2007-06-28 20:59) 

響

>肥前Fe さんへ
ほんと、基礎をどうなってるんでしょう?
うわ~!それを考えると気が遠くなりますね。
今度は反対の岸から河口をたどってみたいです。
by (2007-06-28 21:01) 

干潮時にちょっとずつ造っていったんですかねぇ。かなり時間掛けて造られたように思います。
それにしても100年以上も残っているのは凄すぎますね。
by (2007-06-28 21:03) 

響

>miyomiyoさんへ
凄く深い基礎なんでしょうか?
それを考えると頭がクラクラしそうですよ。
上を歩いて見たいですよね
6km以上あるので良い運動になりそうです。
by (2007-06-28 21:07) 

響

>ななさんへ
うん、おいでおいで!
歩いたら1時間半くらいかかるよね?
コヨーテさんに頼んだら導流提に渡してくれるかも(笑)
by (2007-06-28 21:10) 

響

>obasanさんへ
さすが良い感性をお持ちですね
自然破壊にならずに自然とともに生きる知恵です。
先が霞んで見えないくらいずっと続いてました
なかなか来るところじゃないけど
柳川方面を攻める時はちょっと寄り道を勧めますよ。
by (2007-06-28 21:13) 

響

>もきちさんへ
時間を調べていかないといけないので
やっと見ることが出来ました。
完全に干潮になるとまた
回りの土まで出てきますので大蛇を見るなら干潮のチョイ前が
お勧めですね。
遠いけど機会があったら是非どうぞ。
by (2007-06-28 21:16) 

響

>ともり〜さんへ
今時の河川工事ってとにかく金を使ってなんぼってイメージがありますね
やっと自然の岸を模範にした河川工事もされるように成りましたが
まだまだ溝みたいな川だらけです。
by (2007-06-28 21:19) 

nico

木曽三川もそーなの?
あそこはムカシ大荒れだったらしいからねぇ。
デレーケ覚えとかなくちゃ。 φ(.. )メモメモ
by nico (2007-06-28 21:20) 

響

>lifeさんへ
いらっしゃ~い!
ようこそ廃墟と鉄ちゃんの部屋へ・・・・あれ!?
イヤイヤ。
ようこそ廃墟と近代化遺産を巡るライダーの部屋へ!
好奇心こそ、僕のツーリングの原点です。
どんどん遊びにきてね、
そして廃墟と鉄ちゃんに目覚めるのだ~!
by (2007-06-28 21:22) 

響

>shop-u3さんへ
この緩やかにカーブを描く石積みは芸術ですよね
気に入っていただいて書いた僕も嬉しいです。
by (2007-06-28 21:24) 

響

>xml_xslさんへ
何時もありがとうございます。
もう隊員になったも同然ですね(笑)
大蛇にひれ伏す感性に
わたしはひれ伏します┌|・.・|┐
by (2007-06-28 21:26) 

響

>STEALTHさんへ
そうなのですよ! あと、大阪の淀川もね
木曽川もここと同じ治水の方法なのですか?
見てみたいです。
by (2007-06-28 21:28) 

響

>(。・_・。)2kさんへ
凄いでしょう?
車で辿っていてもイヤんなったんですよ(汗)
作った人は凄いです。
by (2007-06-28 21:29) 

響

>dakarさんへ
大蛇に乗って剣を振るう!
う~ん!僕にピッタリなシーンですね(笑)
かっこいいなー! 
でも僕、蛇が大の苦手なんです(笑)
by (2007-06-28 21:32) 

響

>OhIke0725さんへ
わたしは悔しい思いをしたものは忘れないのだ!
ネチッコイとも言うが・・・(笑)
でも言って実際に見ると凄いねここ。
ウォ~!何処まで続いとんじゃい!って思いました。
by (2007-06-28 21:35) 

響

>ヒロリンキュウさんへ
ほんと、ここ
どうやって作ったんでしょう?
考えれば考えるほどドロに埋まって行きそうです。
by (2007-06-28 21:36) 

響

>nicoさんへ
調べるとデレーケさんは木曽川もやってるようですね
同じような物なんでしょうか?
見てみたいですね。
by (2007-06-28 21:38) 

coyote

生まれてから14年間ほぼ毎日眺めてました。。。
とうとう行かれたのですね~~!
次回は、近くまで船で行きますぅ~?? いやマジで!^^
by coyote (2007-06-28 22:24) 

j-taro

すごいものがあるんですね。
あの石組みを見ると昔の人ってすごいと思います。
人力であれだけのものを作り上げるのですから。
by j-taro (2007-06-28 22:28) 

あら!みてたのね

こんばんは・・・
凄い人工の汗と涙と建築美のご紹介ありがとう・・・万里の長城と比べものにならないほどの人工構築物なのでしょうが・・美しい眺めですね♪♪
by あら!みてたのね (2007-06-28 22:57) 

しおつ

すごいですね。
こんなのが明治にできたんですね。
いまだったらただのコンクリート作りになってしまうのでしょうね。
by しおつ (2007-06-28 23:08) 

みね

なるほど、土砂の堆積防止ですか。
頭のいい人は居るものですね~
狭ければ流速がキープ出来ますからね^^
by みね (2007-06-28 23:15) 

Little_Rock

大勢の人が一つ一つ石を積んでいったんでしょうね。
100年前の偉業で今も地元の人たちの生活が守られているわけですね。
いつもながら勉強になります。
by Little_Rock (2007-06-28 23:24) 

ある意味、ピラミッド的な凄さを感じますね
by (2007-06-29 00:38) 

Jetstream31

オランダの技師ならではの技術なんでしょうかねw
太閤秀吉も、京都の川の流れを変えました。
by Jetstream31 (2007-06-29 02:14) 

pace

凄い!人間の可能性を感じますね
オランダと言うのも納得
彼の地は治水に関しては必死ですからね
by pace (2007-06-29 05:38) 

響

>coyoteさんへ
わが隊のもっとうは狙った獲物は逃がさない!です(笑)
うー!見れて良かった~!
出来ればこの歴史的遺構の上を歩きたいです。
by (2007-06-29 11:34) 

響

>j-taroさんへ
昔の方はみんな力持ちだったのか
現代人がヘナチョコになったのか?
それにしても人の力って凄いよね。
by (2007-06-29 11:35) 

響

> あら!みてたのねさんへ
何処までも綺麗に積まれていて
妥協の無い作りですばらしい仕事をしていますね
見ていて伝わるほどの遺構ってそんなに無いですよ。
by (2007-06-29 11:37) 

響

>しおつさんへ
今だったら塞き止めて水を抜いて生コンぶち込みか
水の中でも固まるセメントもあるんでそれを使うかも。
ただの川の溝に見えたでしょうね。
by (2007-06-29 11:39) 

響

>みねさんへ
そうでしょう?
川が広がると風の影響も受けるし
流速が落ちますよね。
見た目も効果も凄いものだったのですヨ!
by (2007-06-29 11:40) 

響

>Little_Rockさんへ
本当、気の遠くなる工事ですよね
見るだけでもあきらめたほどですから
それはもう、凄いことです。
by (2007-06-29 11:41) 

響

> タン・ロンさんへ
コレを縦に積んだらそれはもう
世界的な遺構になってたでしょうね。
干潮時しか見えないのがまた
怪しくってナイスなのです。
by (2007-06-29 11:45) 

響

>Jetstream31さんへ
昔は川の治水事業って国をあげて取り組んでたのが
良くわかりますね。
こんなの地方の財源じゃ無理ですよ。
水は必要不可欠ですが村ごと飲み込む悪魔にも変身しますからね。
by (2007-06-29 11:47) 

響

>paceさんへ
オランダといえば運河の町ですもんね
治水事業では大先輩の国です。
そこから技師を招くとはいい思いつきじゃないですか。
by (2007-06-29 11:49) 

本当に大蛇ですね鱗もあるし(笑)
干潮見れるところで探してみますか!
by (2007-06-29 22:48) 

自然の力も凄いですが、人間の可能性も感じますね。昔の人って、生きるためにいろいろ努力していたんでしょうね。今は何でも指一本、簡単ですが何か忘れていそうです。
by (2007-06-29 23:27) 

響

>月光14thさんへ
そうですねぇ、鱗に見えるでしょう?
淀川にもデレーケさんの遺構があるらしいけど
同じものなんでしょうか?
by (2007-06-30 06:44) 

響

>akiponさんへ
初めて見て
これ、人の手で作ったんだぁ!
って思ったらちょっと感動しちゃいました。
by (2007-06-30 06:45) 

ふじさん

明治時代から崩れずにずっとあるのでしょうか?
それとも崩れたところを補修しているのかもしれませんね。
よく見ると、棒(?)が立っていますね。
今度はcoyoteさんの船で探検ですね!
by ふじさん (2007-07-02 00:28) 

響

>ふじさんへ
大雨で崩れないのが凄いです。
やはり日ごろから表面をそろえて水圧がかからないようにメンテしてるのかなあ?
コヨーテさんの船だと全容が見れるかもしれませんね。
by (2007-07-02 08:02) 

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